ドローンで業務をして色々と発信していくとドローンを始めたい、始めたばかりの方から質問が多く来ますので簡単に解説します。

ドローンとは何か?

航空法の定義

航空法第2条第22項によると、この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供することが出来る飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることが出来ない物のうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させる事が出来る物(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。と定められています。
令和3年7月11日現在では、重量200グラム未満のものは無人航空機から除外されます。
また、この重量はバッテリーや機体に装着されているパーツを含みます。

ホビー系ドローンの種類(一部業務でも使用可能)

ドローンと一言で言ってもたくさんのものがあります。価格も数千円のものから100万円を超えるドローンやレース用のドローンまで。
簡単に説明をしていきたいと思います。

トイドローン

言葉の通りおもちゃの安価なドローンになります。アマゾンで5,000円くらいから購入できます。
最近では5,000円を切るトイドローンなどもあります。

最近のトイドローンは優秀で室内で練習するには面白いと思います。
初心者の方が操縦感覚を掴む目的で所有されるのに最適です。

レースドローン

基本的に自作になります。FPVゴーグルを装着してドローンを操縦します。
姿勢制御もなくすべての操縦を自分でコントロールします。
FPVゴーグルで映像伝送をしますが、2.4ギガ帯以外の周波数帯を使用する場合は無線従事者の資格が必要になります。
また、無線局としての開局が必要になります。
ドローンレースの団体はいくつかありましたが、現在では1つくらいでしょうか?
レーサー人口とカーレースのような観戦者が楽しめる仕組みが今後必要でしょう。
レースドローンは最初に5万円~から費用が発生するようです。

ホビー系ドローンの種類(一部業務でも使用可能)

空撮用ドローンの映像をご覧になってドローンに興味を持たれる方も多いでしょう。空撮用ドローンメーカーで有名なのがDJI(中国)です。
車で言えば日本のTOYOTAと変わらないくらいのシェア率を誇っています。
最近ではDJI mini2という200グラム以下(無人航空機適用外)に4倍のデジタルZOOMが搭載されています。
SDカードが機体に装着され、カメラの映像が直接録画されます。
価格は59,400円~になります。

機体が軽い分空撮時の安定は弱いですが、ジンバルが補ってくれます。
空撮時のジンバル調整なども学べる機種です。

空撮用ドローン②

テレビの撮影等でも使用される10万円以上の機体です。
テレビの撮影では4Kが基本と聞いています。(弊社が撮影依頼を受ける場合は4Kでの撮影依頼しかありません)
5.4K動画も撮影できる小型ドローンDJI AIR 2Sです。
価格は119,900円~になります。

産業系ドローンの種類

測量用ドローン

RERでも一番使用頻度が多いのが測量用ドローン、phantom4RTKです。昔はセスナ(小型航空機)等で行っていた航空測量をドローンで行うものです。
ただ、ドローンで行う航空測量でもTS(トータルステーション)を使用して検証点の座標が必要になります。
測量用ドローンとRTK基地局を設置することで検証点がなくてもほぼ誤差のないドローン測量が行えます。
詳しくは、「TS(トータルステーション)とドローン測量の誤差を検証」をご覧ください。
また、ドローン測量を行うにはドローンだけでなく、解析ソフトが必要になります。
価格はドローン80万円~ その他にRTK基地局若しくは電子基準局の費用と解析ソフト代が発生します。
弊社は代理店ではありませんが、お話を聞いて弊社の購入店でもSEKIDOさんをご紹介しています。

屋根・建物点検用ドローン

親会社が不動産会社ということもあり、建物トラブル時や契約前の事前点検で必要なのが建物点検ドローンです。
最近の機体は優秀ですので、大体の機体で操縦技術と異常を発見する能力が高ければ屋根点検で異常を発見するのは可能です。
雨漏りなどを発見するには赤外線カメラの温度分解能が優秀なカメラが必要になります。
弊社では赤外線カメラをH20TというDJI製のカメラを使用しています。
価格はカメラだけで110万円~ その他にドローン本体が必要になります。

ドローン本体はMatrice300RTKを弊社は使用しています。
価格は本体だけで82万円~、その他にバッテリー7万円~と充電器等が10万円~とRTKを使用する場合はRTK基地局が30万円~また、三脚が3万円~が別売りになります。

これだけの費用が発生しても、不動産取引のトラブルが未然に防げる確率が大きくなる、トラブルが発生しても発見を速やかにできるということで弊社では購入しています。
3年間見つからなかった雨漏りが15分で発見できた例「所沢市けやき台雨漏り調査報告」を是非ご覧ください。

農業用ドローン

農業用ドローンは弊社からすると管轄外になりますがこれからの農業はドローンが大きく変えるといっても過言ではないでしょう。
農薬散布の光景を現場で見ましたがスピード感に圧倒されます。
価格は本体だけで55万円~と安価なものからあります。

まとめ

一括りにドローンと言っても色々なドローンがあります。
車で例えるなら普通車であったりミニバンであったりトラックであったりタンクローリーであったり、、、
ドローンもそれぞれの用途で変わってきます。
ドローンは安い買い物ではありません。
購入する際は目的に合ったドローンを購入することをお勧めします。
ちなみに筆者の場合は、初めから仕事でドローンを使う予定でしたので目的に合わせたドローンを購入しています。

 | 取材者の紹介

三瓶 晃幹
RER Agency株式会社 代表取締役
RER drone pilot株式会社

取締役自身が代表を務めるRER Agency株式会社で、不動産事業とドローン事業の融合を目指している。
RER Agencyでは宅地建物取引業及び・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者の登録を行っている。
ドローンに赤外線カメラを使用した建物調査の独自手法で雨漏りや建物の不具合箇所発見している。
不動産業界では仮測量・建物調査・空撮などでドローンを最大限に使用している。
自身の人脈を活かし大手賃貸管理会社とも建物調査で業務提携。
プロドローンショップ「GS RTA」と2020年11月に業務提携をし、共同イベントを実施した。