6月17日公開のブログ「目黒区中目黒にてドローン仮測量を実施してきました。」でも掲載している中目黒の土地のドローン測量の結果検証を致しました。
ドローン測量での測量結果
D-RTKを設置しての測量
まず、基準局となるD-RTKを設置しドローンと送信機を接続します。
事前に確認しておいた公共座標の上にD-RTK2を設置して海抜や座標データを入力して設定します。
この時注意しなければいけないのが、公共座標は60進法です。ドローン測量の座標は10進法になるので10進法の数字になる様に計算をし直さなければいけません。
実際は60進法を10進法に変換するサイトで変換しています。
私はこちらのサイトのお世話になっております。
度数変換(60進数・10進数)
GPSデータをFIXさせて飛行したデータを持ち帰りPIX4Dにて解析を掛けます。
個人的にはPIX4Dが点群ソフトの中では優秀だと考えますが、サポートサイトが日本語でないのが難点ですね!!
2回飛行させて現場を撤収しました。
PIX4Dによる解析
飛行データをPIX4Dに取り込み解析を実施します。
今回の測量面積が元々100㎡あたりなので処理も30分弱で終了します。
今回は3Dマッピング等にする予定はないので解像度を落として処理をしました。
ドローンによる測量の面積は97.31㎡になりました。
登記簿面積が96.57㎡でしたので不動産売買でもまず問題がないと判断できました。
登記簿面積との誤差は+0.74㎡です。少し多く感じますが地積測量図が法務局に備え付けされてない時代の面積です。
※登記簿謄本に記載されている面積が正しいとは限りません。
TS(トータルステーション)を使用して測量結果
一般的な測量方法です。
残念ながら、土地家屋調査士の先生が測量されている現場に私は同行しておりませんので測量風景の写真はありません。
測量結果を確認してみましょう。
トータルステーションによる測量の面積は97.43㎡になりました。
登記簿面積が96.57㎡
登記簿面積との誤差は+0.86㎡です。
ドローン測量面積との誤差は+0.12㎡です。
この面積誤差は公差の範囲になります。これはどうしても発生する誤差の範囲です。
ドローン測量で実際にかかる時間
~事前準備~
①Googleマップ等で測量計画を作成 30分
②警察等への連絡 10分(義務ではありません)
③送信機にDJIテラを使用して簡易入力・機体点検 15分
事前準備時間 約60分
~現場にて~
①飛行経路の設定 10分
②飛行経路上の周辺の住宅への挨拶 20分
③航空測量板の設置 20分
④飛行準備・RTK設定・座標設定 15分
⑤飛行2回分 10分
⑥データの確認 5分
⑦現場撤収 15分
現場作業時間 約100分(1時間40分)
~PIX4D等解析時間~
①PIX4DにてPC点群解析 30分
②PIX4Dにて航空測量板のポイントを確実におさえる・面積等算出 20分
③PIX4Dより座標を出力 15分
④CADへ座標を入力して製図する 30分~
解析時間 約100分(1時間40分)
今回の検証結果
測量用ドローンでD-RTK(RTK基地局)を使用し、精度の高い点群解析ソフトを使用することで精度の高い測量がドローンでも行えると言えます。
また、ポイントに航空測量板を設置することでCADに座標を落とし込むことができ、道路を含めた測量図を設置することが可能です。
簡易的な測量図で問題がないのであれば、フリーソフトのJWCADでも作成は可能です。
現場での作業時間が圧倒的に少なく済むのがドローン測量です。ただ、TS(トータルステーション)の測量のようにより多くのことができるのではなく、
あくまでも簡易的な測量や高低差測量では圧倒的な力を発揮するのがドローン測量(写真測量)になります。
| 取材者の紹介
三瓶 晃幹
RER Agency株式会社 代表取締役
RER drone pilot株式会社
取締役自身が代表を務めるRER Agency株式会社で、不動産事業とドローン事業の融合を目指している。
RER Agencyでは宅地建物取引業及び・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者の登録を行っている。
ドローンに赤外線カメラを使用した建物調査の独自手法で雨漏りや建物の不具合箇所発見している。
不動産業界では仮測量・建物調査・空撮などでドローンを最大限に使用している。
自身の人脈を活かし大手賃貸管理会社とも建物調査で業務提携。
プロドローンショップ「GS RTA」と2020年11月に業務提携をし、共同イベントを実施した。