第2回ドローンで床下点検の実証実験レポートのスピンオフニュースとして「G.T.R DRONE」でphantom4RTKとMatrice300RTKの研修会を実施しましたのでレポートにしました。
床下点検の実証実験を実施する前にドローンを使用した仮測量の準備からセッティングまでの研修を実施しました。
今回使用する機体はphantom4RTKになります。測量に特化した機体になります。

見た目はphantom4proと変わりませんが、お値段は4倍以上違います。
また、phantom4RTKの性能を最大限まで引き出してくれるのがD-RTK2になります。


D-RTK2は主要なGNSS(全球測位衛星システム)に対応するDJI 高精度GNSS レシーバーでcmレベルの測位データを生成するリアルタイム微分補正を可能にし、相対精度が向上します。
ネットワークRTKを使用しない、または携帯電話の電波が届かない場所でD-RTK2は威力を発揮します。RERグループではネットワークRTKに契約するのではなく、D-RTK2を使用しています。
今回、講師を務めるのは「G.T.R DRONE」の創設者でもある私三瓶が担当します。
そして参加者は田頭代表と梅原パイロットです。

決してこの二人は仲が悪いわけでなく、記録用動画から画像を抜き出したためこのようになりました。
DJIの産業機を日頃業務で使用する私が講師ですが、日ごろの使用法を二人に伝授します。
不動産の仮測量で困らないレベルの指導になります。今後私も航空測量の研修会に参加したいと考えております。

まず、D-RTK2の設置から始めます。基準局となるこのD-RTK2があるから正確な測量ができます。

そして航空標識を設置します。これは購入してもよいのですが、戸建てが立ち並ぶ地域では標準のものでは使用しにくいので私のお手製になります。
設置方法は今後の「G.T.R DRONEスクール」に参加してくださった方向けの研修会で測量士(土地家屋調査士)とほぼ誤差のない測量結果を再現しているのか?
を研修していきたいと思います。

ヘリパッドにphantom4RTKを置きます。

離陸前に風速の確認を風速計で実施します。
風速3mを超える場合は私は原則飛行しません。上空の気流は地上よりも早いことが多いです。
風速を確認したら一度、D-RTK2をつなげないで機体と送信機を接続した状態で一度一定の高度まで離陸させます。
そして、実際の測量高度で障害物になるものはないかを確認します。
飛行高度については使用する機体によっても違いますので販売店に確認される方が賢明です。
phantom4RTKは35mの高さから撮影できます。
余談ですが、DJIから発売されたZenmuse P1カメラをMatrice300RTKに搭載して使用すると80mの高度から航空測量できるそうです。
詳しくは、私が取材に行った時のレポートをご覧ください。

安全確認ができましたら今度はアプリの設定になります。

測量したい個所を印をつけます。phantom4RTKはプロポにスマホみたいなモニターがついてきます。
この画面が小さいのが難点です。DJIテラと接続して事前入力も可能です。(有料なので使用していません。)
使用前にWi-Fi環境でコントローラーとネットワーク接続をして先に測量するエリアを保存しておく方法がお勧めです。
今回はドローンによる仮測量研修ですので、キャッシュのみ残した環境で実施しました。

画面録画できないのが難点です。スクショを撮っておけばと後悔。
飛行エリアは想定より広くなるので注意が必要です。
D-TRK2とプロポを接続し、最後に機体とプロポの接続を確認してオートパイロットで飛行させます。
D-RTK2の座標も忘れずに記録します。解析の時必要になります。
ドローンによる仮測量を実施する場合は原則オートパイロットになります。
周辺に高層建築物が多い場合は実施しないという選択肢と、指定したエリアからははみ出して飛行しない設定をします。
最後に手動で撮影して補正して測量成果を出すこともあります。
この辺の内容も、今後の「G.T.R DRONEスクール」に参加してくださった方向けの研修会で発表したいと思います。

空撮を始めたドローンを目視で確認しながら常に安全を最優先に実施します。サングラスとツバ付きの帽子は必須です。

始めて本番環境で飛行する梅原パイロットはプロポの映像を確認しながらもドローンを必死で目で追います。

二人で実施する場合は一人は安全要因(補助者)として目視でドローンを負うことに専念し、パイロットはプロポのモニターから目を離さないことが大切です。
また、トランシーバーなどあると便利です。弊社の場合は近距離であっても二人で作業をする場合は5wのデジタル簡易無線機を使用して安全確認をします。
無事にドローンが帰還したらデータの確認をして終了になります。稀に撮影できていないなんてこともあります。
私一人で実施する場合はドローン目視を最優先に行います。産業機の基本は目視です。周辺の安全を確認しながら、目視してプロポのモニターを
確認します。

ドローンで仮測量や測量を行う場合
①本格的な測量を行う場合は検証板を用意して解析時に検証する。
②D-RTK2若しくはネットワークRTKに接続しないと大幅に誤差(5cm以上)出る場合がある。
③公共座標がある場合はD-RTK2設置時に利用する。
④航空標識はしっかりと設置する。設置方法は工夫が必要。オリジナル製作も検討する。
⑤人が入れない場所はあらかじめ低い高度で撮影しておく。
⑥まずは安全第一で実施。
⑦周辺には必ず挨拶をしておく。

D-RTK2を使用しないでphantom4proやMAVICなどで簡易測量を実施する場合はGSPというアプリを使用するのがお勧めです。
また、測量精度を上げるのは難しいですが、上空でGNSS(GPS)が落ち着いているときにシャッターを手動で使用するのが良いでしょう。オートだと17個くらい衛星電波を収集していても
誤差が大きく出る場合があります。

解析方法については研修会で実施するか、こちらで記事にするか検討します。

 

 | 取材者の紹介

三瓶 晃幹
RER Agency株式会社 代表取締役
RER drone pilot株式会社

取締役自身が代表を務めるRER Agency株式会社で、不動産事業とドローン事業の融合を目指している。
RER Agencyでは宅地建物取引業及び・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者の登録を行っている。
ドローンに赤外線カメラを使用した建物調査の独自手法で雨漏りや建物の不具合箇所発見している。
不動産業界では仮測量・建物調査・空撮などでドローンを最大限に使用している。
自身の人脈を活かし大手賃貸管理会社とも建物調査で業務提携。
プロドローンショップ「GS RTA」と2020年11月に業務提携をし、共同イベントを実施した。