ソーラーパネル発電所の点検の実証実験を2021年4月から実施してきましたが、最終局面まで来ました。
前回の記事はこちら・・・

今回の課題はいかに簡単に検証できるか?

今回の最大のミッションです。
今まで10回以上行ってきたデータと、作業を実施したメンバーから点検時の問題点解析の手間などをヒアリングして
何度も実証実験(途中さぼってました)を実施してきました。

今回の実証実験の概要

  • 飛行予定面積:約6500㎡
    場所    :千葉県東金市
    実施日   :2022年5月24日
    天候風速  :曇り時々晴・1m未満

パネルを点検していると途中どこまで点検したのかわからなくなる

オートシャッターで飛行するのか手動シャッターで飛行するのか?ソーラーパネル発電所の点検の場合、単調な景色を飛行し続けることで場所を見失うことがあります。
また、山肌に設置されている場合は高低差で大きく画角が変わる可能性が出てきます。大型発電所の場合操縦者に対する負担も大きくなっていきます。

解析時も時々どの場所の写真かがわからなくなる

数少ない写真であれば問題ないですが、発電所のパネルの枚数の位置を全部確認して整合性を取ることは時間と労力がかかります。
時間と労力を減らすことでしっかりとした解析かつお値段も今までの点検方法より安価にできます。

事前準備

点検の前日から準備を開始


操縦用コントローラーでは画面が小さく、操作性もよくないのでモニターに接続して、キーボードとマウスを使用します。
画面が大きくなること、マウスを使用することで操作性が大きく変わります。
また、飛行前に飛行高度を設定します。ソーラーパネルとカメラが近いほど正確なデータが把握できて、距離が離れすぎると精度が悪くなります。
国土交通省の外壁点検の指針でセンサー1ピクセルに対して25mm角に収めることになっています。
この基準に合わせてパネルとの高さを勘案して飛行高度を決めます。高く飛行したほうが撮影枚数が少なく済み、解析も短時間で終了します。
また、この時に飛行マージンとラップ率を設定しておくと便利です。

点検場所についたら

RTKと接続をします。これは解析時のドローンの位置の精度を上げることとホバリング精度を上げる目的があります。
点検前に点検高度まで離陸させて周辺に障害物がないかを確認します。
障害がない事を確認出来たらパネル上空を飛行してサーマル温度レンジを設定します。通常設定では相対温度でのサーマル表示なので解析時に指数計算ができません(DJI製カメラの場合)
最終設定ができたらオートパイロットで点検を実施します。

点検中の作業

点検中はドローンを目視で確認します。今回はH20Tカメラで点検をしていますが、FPV映像も確認して上空の風の強さやドローンの風での煽られ方などを確認します。

Matrice300RTKのFPVモードの機体情報は航空機に匹敵するくらい見やすくなっています。
補助者がいる場合は一人は機体を目視、一人はモニターの映像を確認するのが良いオペレーションだと思います。
1回の飛行作業で大体30分が限界です。また、RTKのバッテリーも1時間で交換(2回の飛行で交換)するのが我々の実証実験の結果やりやすいとわかりました。
現場作業時間は設置から撤収迄100分です。

サーマルが終了後

サーマルの撮影の場合ラップ率が高いので、可視光の写真を使用する場合は可視光での解析に時間がたくさんかかる可能性があります。
再度ラップ率を変更して撮影するか、GSP対応のドローンで再度飛行して可視光を撮影するのがおすすめです。
前日の飛行計画時に飛行時間を計算してバッテリーを余分に用意をするか、違う機体を持参することをおすすめしてます。

解析に使用するツール

PIX4Dmapper・・・点群ソフト
DJI Thermal Analysis Tool・・・赤外線温度解析ソフト
特に順番はないのですが、私は可視光から解析をかけます。解析すると点群データとオルソ2D画像が出力できます。
上の画像はMavic2enterpriseDualで撮影したあとに解析しているため微妙に歪んだオルソ画像です。
PIX4D操作画面です。3D点群データです。
先に、可視光を解析似たのには理由が一応あります。
作業効率の為です。

 

次回は、解析の続きについて記事を書きたいと思います。

 | 取材者の紹介

三瓶 晃幹
RER Agency株式会社 代表取締役
RER drone pilot株式会社

取締役自身が代表を務めるRER Agency株式会社で、不動産事業とドローン事業の融合を目指している。
RER Agencyでは宅地建物取引業及び・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者の登録を行っている。
ドローンに赤外線カメラを使用した建物調査の独自手法で雨漏りや建物の不具合箇所発見している。
不動産業界では仮測量・建物調査・空撮などでドローンを最大限に使用している。
自身の人脈を活かし大手賃貸管理会社とも建物調査で業務提携。
テレビ東京系列・駐在刑事season3(寺島進さん主演)のドラマ・ドローンシーンを担当
TBS・日曜劇場 DCUの最終回の一部ドローンシーンを担当