今回、かとう土地家屋調査士事務所様より大きな土地の仮測量をドローンで実施できないか?と相談を頂き測量制度に対する実証実験を行いました。

調査条件

市街地の大きな敷地の調査(現場は秘密です)
周辺には15階建てのマンション棟が数か所あります。
DID地区です。
航空測量版は何とか設置できそう。
トータルステーションでは測量が厳しい。

ドローン測量について考える

phantom4RTKは35mの高さでの飛行が基準です。大体10階建くらいになります。
マージンをマイナスにして飛行する(航空測量板が見にくい)
地形データ作成のように高高度で飛行して地形図データを1回作成してから再度飛行する。
Matrice300RTK用のP1カメラを購入しちゃう。(経理から叱られました)
phantom4RTKを高度70mの高さで飛行させて測量する。

机上で考えて一番安く正確にできる方法を考えました。

「phantom4RTKを高度70mの高さで飛行させて測量する。」に決定しました。
仮測量とは言え誤差がどのくらい生じるのか?などなど、あくまでも机上での決定です。
現場では35mでしか測量飛行させたことがありませんので、実証実験が必要になります。

7月14日に古河DFにて実証実験をしてきました。

こちらが古河ドローンフィールド(古河DF)です。
前日までに予約が必要です。また、保険に加入している機体を使用するルールです。
古河市が運営していて無料で飛行できます。
筆者も初心者のころは練習に、現在は実証実験や空撮の練習に行きます。

実証実験の内容

phantom4RTKを高度35mと70mで航空測量した場合の面積差を確認する。
RTK基地局を設置してFIXさせる。
面積は800㎡を超えるくらいの面積とする。
ポイントは5つとする。

実証実験の結果

35mの飛行時の面積は806.53㎡
70mの飛行時の面積は806.20㎡
面積差は0.33㎡になりました。
こちらが解析時のPIX4Dの画面になります。数字の部分を再度大きくしました。

Z軸(高さ)は0.13mの誤差が生じました。
高低差を測量したい場合は高度35mは必須になることがわかります。
面積差については誤差の範囲と考えて問題ないと考えられます。

まとめ

phantom4RTKを高高度で航空測量をしても面積の誤差が少ないことがわかりました。
土地家屋調査士とも話をして一部検証点を設置してphantom4RTKを使用してドローン仮測量は可能であると判断しました。
今回は非公開のお話の為、ブログに飛行時の内容は掲載できませんが、こちらの検証ブログをご覧いただければわかるように
誤差は公差の範囲に収まります。

 | 取材者の紹介

三瓶 晃幹
RER Agency株式会社 代表取締役
RER drone pilot株式会社

取締役自身が代表を務めるRER Agency株式会社で、不動産事業とドローン事業の融合を目指している。
RER Agencyでは宅地建物取引業及び・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者の登録を行っている。
ドローンに赤外線カメラを使用した建物調査の独自手法で雨漏りや建物の不具合箇所発見している。
不動産業界では仮測量・建物調査・空撮などでドローンを最大限に使用している。
自身の人脈を活かし大手賃貸管理会社とも建物調査で業務提携。
プロドローンショップ「GS RTA」と2020年11月に業務提携をし、共同イベントを実施した。