ご依頼の経緯
建物の構造がALCのビルです。どこから雨水が浸入しているかわからない状態です。浸入場所と思われる場所は補修したけどわかりませんでした。
可視光のドローンで一度調査をしましたが、原因がわからない為、弊社にご依頼をいただきました。
事前準備
弊社ではご依頼をいただくと関東地方であれば一度現地を確認します。今回のロケーションは駅の近くであり、交通量も多い場所です。まず、所轄警察の交通課の規制担当と打ち合わせをします。
また、道路使用許可が必要である場合は使用許可取得について打ち合わせをしました。
当日の準備
まず、事務所にて天気図の確認です。飛行予定時間の1時間前に現場には到着します。現地にて周辺への挨拶と離陸場所の確保等を行います。また、補助者と現場にて打ち合わせをします。
例:ドローンが低空を飛んでいる場合は歩行者の誘導等を指示
また、道路に目印を付けます。ドローンパイロットが建物点検時に点検個所を見失った時の為の目印です。
点検開始
補助者とドローンパイロットが共に周囲の安全確認ができたら飛行開始です。周囲の障害物や歩行者、車に警戒しながらラップ率と調査対象物との距離を間違えないように飛行します。また、適宜IR画像(赤外線画像)に切り替えながらドローンの飛行と撮影をします。
できるだけ早く正確に飛行することでバッテリーの消耗を抑えることができます。点検する際は飛行方法がいくつかございますが、ご自身が撮影場所等がわからなくならないように撮影することが大切です。
ラップ率と調査対象物との距離を間違えなければ、撮影枚数から逆算してどの場所を撮影したのか判断ができます。
飛行中
飛行中にIR画像に適宜切り替えながら飛行をして異常と思われる個所を見つけても撮影は普通に継続します。撮影データがあるので解析時に確認することができます。常に、平常心と集中力を持って飛行することが大切です。
写真撮影が一通り終わったら、バッテリーに余裕がある場合は飛行中に怪しいと思った飛行箇所を再度確認をします。
飛行終了したら
解析を始めます。弊社はPIX4DmapperとDJIのサーマルツールで建物調査の解析します。PIX4Dは解析をする際は、建物調査の設定にして解析をすることが重要です。
撮影枚数にもよりますが、写真の撮影枚数が多い場合はいくつかのパーツに分けて点群解析をして、最終的につなげるのが効果的です。
必要に応じてオルソプレーンを作成したりします。
報告書の作成
問題個所をデータ整理して弊社の見解を付します。表面温度が低い場所を重点的に確認しますが、温度が高い場所も確認します。通常と違うデータが出る場合は必ず確認します。
その他弊社が行っている事
画面のスクリーン録画
飛行中の操縦画面を録画しておくことで、飛行中のトラブルや建物点検時のポイント等を確認することができます。また、Matrice300RTKの操縦用のプロポは音声の録音もされています。
一度テスト飛行して全体の平均温度を確認してサーマル表示の設定
サーマルの表示範囲を指定しておくことで調査時に異常を発見しやすくなります。
RTK接続(オートパイロット時は必ず)
衛星だけのデータではXYZ軸(緯度経度や高度)に誤差がでます。RTKを接続することで誤差センチメートルの範囲で収まります。解析時に大変役に立ちます。
建物調査方法について実例を交えて講習会を実施予定
DOSA愛知校(ドローンFantasy)と連携してドローンによる建物調査の実施方法について講習会を実施する予定です。
周辺に障害物がない場合はオートパイロットによる飛行の為の設定方法等をMatrice300RTKの操縦用画面を使用しながらご説明します。
講習会は座学になりますので全国対応です。現在テキストを作成しておりますので、今しばらくお待ちください。
| 取材者の紹介
三瓶 晃幹
RER Agency株式会社 代表取締役
RER drone pilot株式会社
取締役自身が代表を務めるRER Agency株式会社で、不動産事業とドローン事業の融合を目指している。
RER Agencyでは宅地建物取引業及び・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者の登録を行っている。
ドローンに赤外線カメラを使用した建物調査の独自手法で雨漏りや建物の不具合箇所発見している。
現在は、ドローン導入企業のコンサルタント等を行っています。
DOSA愛知校と産業用ドローンの実務飛行について提携し講師を行っている。
不動産業界では仮測量・建物調査・空撮などでドローンを最大限に使用している。
自身の人脈を活かし大手賃貸管理会社とも建物調査で業務提携。
テレビ東京系列・駐在刑事season3(寺島進さん主演)のドラマ・ドローンシーンを担当
TBS・日曜劇場 DCUの最終回の一部ドローンシーンを担当