ドローン測量についてブログに書いてきましたが、そもそもドローン測量とトータルステーションを使用した測量と何が違うのか?
今回は違いについて解説していきます。今回は回転翼機について書きます。

ドローン測量の種類

写真測量

写真測量とは、写真を重ね合わせるように撮影して点群データにするものです。

以前公開した写真ですが、このように重ね合わせて撮影して特徴点(幾何学特性)を得る方法です。
写真測量は現代写真と同じくらい古い歴史を持っています。
写真の縮尺が正しければ、平行な平面上に存在する2点間の距離を求める場合などに有効です。また、縮尺がわかっていれば画像上の距離を測定して実際の距離を縮尺から逆算できます。
現代ではデジタルカメラで撮影して点群をもとに3Dグラフィックスなどにして測量をします。
次に書くレーザー測量機より軽く安価で運用できるが特徴です。

レーザー距離測量

レーザーの高い指向性により精度の高い測量ができます。一番わかりやすいのがトータルステーションです。トータルステーションからレーザー(光波)を出し、照準に合わせたプリズムからの反射を読み取り距離を計算します。

RER drone pilotでの運用

使用機体

DJI製のphantom4RTKを使用しています。これは、DJIが発売している測量に特化したドローンになります。
このドローンにはRTK(Real-time kinematic positioning )の機能が使用できます。
電子基準局若しくはRTK基地局を設置することで高精度な測量を行うことができます。
また、公共基準点にRTK基地局を設置することで、精度の高い測量ができます。

運用方法

運用方法は写真測量です。高価なレーザー測量機が購入できるまで、ドローン測量のお仕事がないのも事実です。(本音)
3Dマッピングなど色々と不動産の売却用プロモーションなどに使用しています。
実際100㎡の面積の撮影に飛行時間は2分かかりません。解析30分前後で、境界位置を確認するのに30分合計1時間少々ですべてが完結しています。
また、RTK基地局を設置するので検証ポイントの設置が不要になります。
RTK基地局を設置しない場合は検証ポイントを設置して検証ポイントを測量するというドローン測量の意味がないという事になります。

ドローン測量のメリット

測量時間の短縮

先述したように、飛行時間2分と解析時間30分・境界ポイント確認に30分です。
実際は境界標を探しあてたり、航空測量板を設置するのに時間を要する場合もありますが、トータルステーションを設置するよりはるかいに早い時間で終わります。

人員の削減

通常のトータルステーションを使用した測量は2名で行うのが通常です。(ワンマンの方もいます)
ドローン測量の場合はワンマンで終了することが殆どです。ただ、公共座標を使用する場合などはRTK基地局に人を配置するなど2名体制になる場合もありますが、
作業時間は大幅に短縮されるのは間違いありません。

高低差の割り出し

測量の一つに高低差測量というものがあります。これも同時に行うことができます。写真解析時に3Dマッピング化することで、高低差を把握することができます。
これもRTK基地局を使用することでより精度の高い高低差測量をすることが可能です。

ドローン測量のデメリット

墜落等の事故

離陸時の電線との接触や技術力不足や判断能力の欠如による墜落事故などがあります。
また、オートパイロットでドローン測量を行うのですが、機体制御が操縦者の意に反して飛行される場合などがあります。
これは、研修や経験値などでカバーすることができますが、機体の故障に関しては日頃の整備が重要です。

植栽・樹木・影・電線に弱い

上空から撮影をしますので、境界ポイントなどが樹木で隠れていると測量に支障が出ます。
時には伐採許可をいただき伐採することもあります。

初期費用が高い

これは、お客様に関係はございませんが、飛行と解析ソフトが高いです。
機体も通常の機体の3倍以上します。RTK基地局も必要です。
また、3Dマッピングにする解析ソフトも高いです。しっかりとした精度を算出するには50万円以上のソフトが必要です。
解析したデータをCADで使用します。測量用CADは測量で使用する方は購入されています。
解析ソフトが日本語ではない場合があるので研修など行くと20万円位かかります。(RERちゃんねるでは解析方法を無料で公開しています)

 | 取材者の紹介

三瓶 晃幹
RER Agency株式会社 代表取締役
RER drone pilot株式会社

取締役自身が代表を務めるRER Agency株式会社で、不動産事業とドローン事業の融合を目指している。
RER Agencyでは宅地建物取引業及び・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者の登録を行っている。
ドローンに赤外線カメラを使用した建物調査の独自手法で雨漏りや建物の不具合箇所発見している。
不動産業界では仮測量・建物調査・空撮などでドローンを最大限に使用している。
自身の人脈を活かし大手賃貸管理会社とも建物調査で業務提携。
プロドローンショップ「GS RTA」と2020年11月に業務提携をし、共同イベントを実施した。