以前のブログ「ソーラー発電所(太陽光パネル)を赤外線サーマル(IR)映像で3Dデータ」のブログでもう少しきれいに出力して欲しいという要望が多くございました。
私達が記録用として保管しているならいいですが、太陽光パネル発電所のオーナー様に歯抜けの映像を提出するのは厳しいですね。

解析担当は異常個所さえ報告できれば良いと思っていますが、記録としては確かに不適当でした。
保守業者様(元請け様)から何とかして欲しいと要望がございましたので、色々と考えてみました。

問題点① 赤外線映像(IR映像)は特徴点を抽出するのが難しい。
問題点② 相対的な温度で色が決まるので場所によって色が変わってきてしまう。
問題点③ 範囲が大きかった場合の対応

点群で3次元出力をするという事は特徴点が多数必要です。また、同じ色でも赤外線カメラ映像では温度レンジが相対的に表示されるので周辺の温度によって表示が変わってきます。
一つ一つ問題をクリアするしかなく、SEKIDOの北村さんに色々と質問させていただき、太陽光パネルの保守会社さんの要望にお応えできるようになりました。
どのように解決をしたのかをこちらに示したいと思います。
まず、最初に手動でドローンを飛行させ、周囲の木の高さなどを確認します。そして、太陽光パネルの下へ行き温度を測定します。
またこの時は温度レンジはオートにして温度の範囲を確認します。
機体を戻して、温度レンジを手動で設定し、一番表示が良いところを確認する為に再度飛行しますしサーマル映像に問題がないかを確認します。

matrice300RTKの付属のコントローラーはHDMI出力が可能です。また、マウスに対応しているので操作性もよく飛行エリアの設定ができます。
折り畳みテーブルなど持ち込むなどすると作業がしやすいのでよく持ち込みます。

一番良い飛行ルートは太陽光パネルに沿った飛行ルートになります。
ただ、マージンの関係や太陽光パネルの設置状況によって最適ルートを決めるのが一番です。
また、高低差がある場所では一度上空を飛行させて高低差を解析してから飛行させると山に設置されている太陽光パネルでもシームレスに撮影できます。

今回解説で使っている画像は前回の安中市原市の画像です。今回の点検で使用した発電所はホットスポット等の異常はありませんでした。

(この画像は前回の原市のものを使用。温度レンジ非固定)

また、拡大も可能なのです。

このように異常個所を簡単に探すことができます。
温度レンジ固定をしていませんが、周辺に高い障害物等がなく地面の温度等の影響を受けることなくきれいに表示できています。

ちなみに下記の画像が今回の点検個所です。日当たりが良い日は鳥の糞などが高温で出ます。

下の図の赤丸は微妙に温度が高く出ておりますが、これはパネルの接続部分です。パネルの接続部分は温度が若干高くなります。

太陽光発電の発電量の低下などの原因の一つがパネルのホットスポットが原因です。
太陽光発電所のパネルの点検のご相談を承っておりますのでお気軽にご相談ください。

 

 | 取材者の紹介

三瓶 晃幹
RER Agency株式会社 代表取締役
RER drone pilot株式会社

取締役自身が代表を務めるRER Agency株式会社で、不動産事業とドローン事業の融合を目指している。
RER Agencyでは宅地建物取引業及び・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者の登録を行っている。
ドローンに赤外線カメラを使用した建物調査の独自手法で雨漏りや建物の不具合箇所発見している。
不動産業界では仮測量・建物調査・空撮などでドローンを最大限に使用している。
自身の人脈を活かし大手賃貸管理会社とも建物調査で業務提携。
プロドローンショップ「GS RTA」と2020年11月に業務提携をし、共同イベントを実施した。