今回はドローンの調査費用が高いと考えるのか、安いと考えるのかを考えてみました。
ドローンを使用した測量から考えてみましょう。

ドローン測量の機体と解析ソフト(PIX4D)の値段が大体130万円~150万円の間になります。
RERグループは測量事務所ではないので原則は自社での使用になります。
【G.T.RDRONE】では難波誠土地家屋調査士のサポートとしてドローンによる仮測量などを実施しています。
一般的な土地でしたら45,000円~と交通費と消費税ですね。(不動産業者プラン)誤差も150㎡で1㎡未満の誤差です。
半日(4時間拘束)だと398,000円~と交通費と消費税が発生します。

万が一の事故に備えて10億円の損害に対応できる保険にも加入します。(業として行う者としての責務です。)

バッテリーを4つ常備していますが、それ以上使う場合も想定されますので発電機の持ち込みなども考えなくてはいけません。
RTK基地局を立てますので携帯電話の電波が入らなくても大丈夫ですが、衛星が10個以上受信できないと正確な測量はできません。
半日ドローンで撮影するとなると相当大きな土地になると思いますので若干の誤差は仕方ないかなと個人的には思います。
人員は1名若しくは2名は必要です。RER(自社の不動産の仕事)の仕事は一人で行った方が早いので一人でやることが多いです。
また、2名でやる場合に備えてパイロットの育成です。費用と時間がどれくらいかかるのか?分析してみましょう。

DJI等の空撮機が飛行できると仮定します。

①安全確認をしっかりと覚える。(電線の確認を怠るケースが多いです)2時間+α
②航空測量板の設置の仕方を覚える。2時間
③検証板の設置ができる。(結構重要です)1時間+α
④飛行中の目視・プロポの確認。1時間+α
⑤最初の飛行計画の作成。(カメラの角度など)1時間+α
⑥プロポ・D-RTK2・機体との接続。(切断した時の復旧)2時間+α
⑦飛行高度内に障害物がないかの確認。(①の安全確認後)30分
⑧解析ソフトの使用方法・解析。10時間+α

このような一連の流れを覚えるのにスクールに行って40万円前後でしょうか?未経験からだと80万円位でしょうか?
プロとして飛行させる以上国土交通省認定団体の講習の修了は必須であると考えています。
飛行技術があろうが、飛行時間が多かろうが、第三者の認定は必要であると考えます。
ドローン測量で接続トラブルなど発生すると、
実際ドローンレースに出ている選手でさえトラブルが起きると対処に時間がかかります。

筆者は【G.T.RDRONE】の統括パイロット(指導パイロット)としての立場もありますので訓練時は教官になります。
ドローン測量の機体の全体像をつかみ全体の流れからトラブル時に対応できるように指導をしております。
例えば、指差し確認の実践です。この行動を笑うパイロットもいますがなぜ指差し確認が必要なのか?なぜ輸送関係の多くの人は指差し確認をするのか?
など基本的ことから学ぶ必要があります。訓練するのに筆者もだいぶ時間を割いております。

実はドローン測量はオートパイロットで簡単に行っているように見えますが、それまでの準備が大変なのです。
実際に測量をする方にお話を伺うと、安いと言われることが多いです。
測量士さんの現場作業が何十倍の速さで終わるからです。
ドローンを飛行させるという作業だけ見ると費用が割高に感じますが、機体の費用や準備・パイロットの訓練などの費用を
考えると妥当な値段設定だと考えております。

次回は建物調査費用が高いのか?検証してみたいと思います。

 | 取材者の紹介

三瓶 晃幹
RER Agency株式会社 代表取締役
RER drone pilot株式会社

取締役自身が代表を務めるRER Agency株式会社で、不動産事業とドローン事業の融合を目指している。
RER Agencyでは宅地建物取引業及び・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者の登録を行っている。
ドローンに赤外線カメラを使用した建物調査の独自手法で雨漏りや建物の不具合箇所発見している。
不動産業界では仮測量・建物調査・空撮などでドローンを最大限に使用している。
自身の人脈を活かし大手賃貸管理会社とも建物調査で業務提携。
プロドローンショップ「GS RTA」と2020年11月に業務提携をし、共同イベントを実施した。